冷蔵・冷凍庫・空調のAI制御とネガワットで19%の省エネと500万円の収入を得た事例 AI制御機器 お客様のお困りごと 食品製造業で冷蔵・冷凍倉庫と空調のエネルギー比率が高い企業様でした。 脱炭素の取組みをしていく中で、電力調達におけるCO2削減のための低炭素電力への切替えを行っている中、改めて、省エネの必要性を検討することとなりました。当時、電力消費量は電気会社からの請求情報でしか把握していませんでしたが、この取組みの過程において、設備単位の見える化が必要であるという議論になりました。 更に、そのデータを用いて、省エネに生かすことができれば良いという中で、AI制御装置の導入に至りました。 導入したAI制御機器 導入したのは、冷蔵・冷凍庫に強みを持つ制御装置でした。稼働状況の情報をAIで解析し、運転方法の最適化制御とピークカットを実現させるというものです。また、そこで得たエネルギー削減量を容量市場・電力需要調整市場で取引することで、収益を得るというものです。 この機器のAIは2つの側面で機能を発揮しています。 一つは省エネの側面です。制御が難しいといわれる冷蔵・冷凍庫でも最適な運転に制御するため、一定ルールの制御ではなく、稼働状況をAI学習し、最適な運転を実現させることにつながっています。 もう一つは、エネルギー削減量を市場取引することで新収益を得るというフローの中で、その最適な取引タイミング(収入がよくなるタイミングで取引ができるように判断する)を選定することにあります。 これら2つを最適化し、自社の省エネ化+新収益の獲得することができます。 ※削減量を市場取引するとは? ネガワットと呼ばれるものです。 電気はその性質上、需要と供給を一致させる必要があります。 発電側での調整が原則論ですが、それだけでは細かなバランスが取りきれなく、需要側(電力消費者側)での調整要請というものが行われます。 その調整ができる余力(調整力)は電力市場において「容量市場」「需給調整市場」として入札されています。 つまり、調整力を多く求めているときに調整力を供給できる需要側が少ないときに高価に扱われるというものになります。 経済メリットについて 年間約8900万円の電力を使用している食品工場の場合… 消費電力の8割が制御対象となり、その消費電力の19%のエネルギー消費量を削減できる見込み。 また、省エネによるコストメリットだけではなく、デマンドレスポンスの仕組みを駆使したネガワットのソリューションにより約500万円の新収益を創出可能予定。 本設備の導入に当たっては、令和6年時点で補助金の活用が可能です。当初の機器メーカーの提示額の約3割を補助金で賄うことができ、投資回収は約2年となる予定です。 船井総合研究所の取組み 本事例は、船井総合研究所が主催している脱炭素経営に特化した、経営者・経営幹部向けの会員制勉強会「脱炭素経営研究会」の2024年5月例会で取上げた事例になります。 船井総合研究所では、脱炭素の実現を推進するための企業の取組みを支援しており、推進体制の構築、各種イニシアチブ取得に向けた支援だけではなく、脱炭素ロードマップの策定、具体的な実現方法についてもコンサルティングしています。 ▼脱炭素に関するご相談はこちら▼ 前の記事へ
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