チラーの排熱を活用して給湯はできる!
株式会社船井総合研究所が運営している工場省エネ対策.comでは、
日本全国の工場省エネ事例を掲載しています!
多くの製造工場の冷却系統で使用されているのがチリングユニット(通称チラー)。
冷却用水を生成する為のヒートポンプです。
空気を温め、冷ますのが空調機で、水を冷ますのがチラーであり、
その機械構造はほぼ一緒です。
チラーの省エネでポイントとなるが、冷却系統の「無駄に冷やし過ぎない」などの
制御最適化と排熱の活用といえるでしょう。前者はインバーターが
挙げられますが、今回は後者の排熱の活用について事例をご紹介します。
《チラーにおける排熱の活用とは?》
チラーは冷却水を生成する際に、同時に排熱を発生させています。
ヒートポンプの構造上、熱を逃がし、水を冷却させます。
この逃がしている熱は、活用用途もなく排出されているため、工場内でロスされている
大きなエネルギーと言えます。この排熱を活用することで、60℃程度のお湯ならば
ゼロコストで生成することができるのです。
《チラーの排熱活用に取り組んだ省エネ事例》
1.食品製造業様の事例
改善前
・製品をお湯で温める工程と冷水で冷ます工程の2つを有していた
・ボイラーでお湯を作り、チラーで冷水層を稼働させていた
ご提案
・チラーの更新タイミングで「排熱でお湯が作れるチラー」を導入した
・チラー単体の省エネだけではなく、ゼロコストでお湯を作れて、
ボイラー負荷を落とそうとした
改善後
・提案内容のままの結果が生まれた。
・チラー更新による省エネ性の向上だけではなく、生成されるお湯を活用することで
ボイラー負荷低減に成功した!
・今まで4台動いていたボイラーが2.5台分で済むようになり、
燃料コスト削減に成功した!
・投資回収はシミュレーション上1.9年であり、現在のペースだと1.5年で
回収が実現する見込みである!
2.化学プラント様の事例
改善前
・製品を冷却する工程と、蒸気で製品を加熱する工程があった
・ドレン回収ができず、ボイラーは常に常温の水を給水していた
ご提案
・「排熱でお湯が作れるチラー」を導入して、ゼロコストで生成されたお湯を
ボイラー給水に活用した
・冷却系統・ボイラーの負荷変動が大きいため、小型サイズで複数台設置することで
負荷変動に対応できるようにした
改善後
・ボイラーの給水温度が常温から65℃に向上し、ボイラーの消費燃料が削減した!
・負荷変動に合わせてチラーが稼働するため、最適な稼働を実現させた!
・投資回収はシミュレーション上4.2年であり、現在のペースだと3.7年で回収が
実現する見込みである!
工場内で「排熱活用」は課題である反面、なかなか取組めない難しいテーマです。
理由としては、活用できるほどまとまった熱量が持続的に出ている状況がなかなか当てはまらない為です。
その中で、このチラーの排熱活用は見落とされがちなポイントだと言えます。
この他にも多くの省エネ導入事例がWEB上で大公開しています!
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